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3か月点検・12か月点検とは

トラック事業者には、車両の定期的な点検整備の義務が課せられています。

定期点検って?

 

道路運送車両法第48条(定期点検整備)

 

自動車の使用者は、次の各号に掲げる自動車について、それぞれ当該各号に掲げる期間ごとに、点検の時期及び自動車の種別、用途等に応じ国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない。

  1. 自動車運送事業の用に供する自動車及び車両総重量8トン以上の自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車  三月
  2. 道路運送法第七八条第二号に規定する自家用有償旅客運送の用に供する自家用自動車、同法第八〇条第一項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車 六月
  3. 前二号に掲げる自動車以外の自動車 一年

2 前条第三項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは、「前項」と読み替えるものとする。

 

つまり、トラック事業者は3か月点検(47項目)12か月点検(96項目)が必要になります。

 

12か月点検については、車検時にディーラーで行ってくれますが、車検に入れる際に必ず定期点検記録簿の写しをお願いしておきましょう。

 

3か月点検については、意外と漏れやすいですが、巡回指導時において一台ずつ確実にチェックされる部分ですので、計画立てて必ず行います。

3ヵ月点検の項目は↓にまとめてあります。

トラックの3ヵ月点検の点検項目

尚、いずれも保存期間は1年間で点検記録の記載、保管が法律によって定められています。

つまり、定期点検記録簿の記載と保存も義務となります。

 

道路運送車両法第49条(点検整備記録簿)

自動車の使用者は、点検整備記録簿を当該自動車に備え置き、当該自動車について前条の規定により点検または整備をしたときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  1. 点検の年月日
  2. 点検の結果
  3. 整備の概要
  4. 整備を完了した年月日
  5. その他国土交通省令で定める事項

2 自動車の使用者は、当該自動車について分解整備をしたときは、遅滞なく前項の点検整備記録簿に同項第3号から第5号までに掲げる事項を記載しなければならない。(以下略)

3 点検整備記録簿の保存期間は、国土交通省令で定める。

 

平成25年から定期点検の未実施については厳しい対応がされていましたが、平成30年10月1日より健康診断の受診、社会保険の加入に加えて定期点検の実施について、未遵守状況が断続的に見られる場合は重点的に監査が入るようになります

 

違反の場合はどうなるの?

3ヶ月点検、12ヶ月点検未実施による行政処分は以下のように厳しく設定されています。

 

3ヶ月点検

年間未実施数 初違反 再違反
1回未実施 警告 5日車✖違反車両数
2回未実施 5日車✖違反車両数 10日車✖違反車両数
3回以上未実施 10日車✖違反車両数 20日車✖違反車両数

 

12ヶ月点検

直近1年間 初違反 再違反
未実施 10日車✖違反車両数 20日車✖違反車両数

 

定期点検に関する違反は、行っていない車両の数に応じていくらでも処分が重くなってしまうため、かなり注意を払いたいところです。

また、実際に点検を行っていても、定期点検記録簿の記載と保管を怠ってしまうと違反となってしまいます。

 

違反内容 初違反 再違反
点検記録簿未記載3枚以下 警告 3日車×違反車両数
点検記録簿未記載4枚 3日車×違反車両数 6日車×違反車両数
記載不適切 警告 10日車
記録簿の改ざん・不実記載 60日車 120日車
保存なし3枚以下 警告 3日車×違反車両数
保存なし4枚 3日車×違反車両数 6日車×違反車両数

よく、点検簿の用紙だけを購入して、3ヵ月点検を実施していないことがバレないようにするために、ホイールのナット締めあたりの項目を不定期で変えたりしながら自社で3ヵ月点検記録簿を作成している事業者さんもいるようですが、記録簿の改ざん・不実記載ということで更に処分が増えますので、キチンとディーラー等で3ヵ月点検を行ってもらうべきでしょう。

 

まとめ

定期点検と定期点検記録簿については、巡回指導や監査の際、重点的に見られる項目であるとともに、行政処分も非常に重くなっています

漏れやすい3か月点検をディーラー等に依頼するとトラック1台あたり6000円~15000円ほどの料金がかかってしまいますが、それでも違反が発生してしまうと割に合わないと思います。

また、点検を怠ることによって車両故障による事故などが発生するリスクも高まりますので、確実に実施したい項目です。


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