Gマーク申請の「安全性に対する取組の積極性」のなかでも、申請直前ではなく、あらかじめ余裕をもって取り組んだほうが良い項目です。
配点は最大2点加点になりますので、ここも落とさず獲得を狙っていきたいですよね。
判断方針・基準
●自社(営業所)以外の外部の研修機関等が主催する交通事故防止に関する研修に運転者等を派遣していることを判断
この項目では自社が自力でなんとかするものではなく、他機関によって行われている研修会等に出席する必要があります。
判断基準としては
●過去一年間(申請年の7月1日~前年7月2日)において、1回以上実施した状況が確認できれば加点
●選任運転者が研修を受講、ただし国土交通省が認定した運輸安全マネジメント認定セミナー、全日本トラック協会が実施する事故防止セミナーは管理者が受講した場合は2点加点
●選任運転者以外の、管理者を含む従業員が研修を受講した場合は1点加点
2点の加点を狙う場合の選択肢として
- トラック協会支部などが行う事故防止研修会に運転手(他の従業員)が参加する
- 全日本トラック協会の事故防止セミナーを管理者が受講する
- NASVA等が行っている運輸安全マネジメント認定セミナーに管理者が受講する
のいずれかです。
2年に1回の義務として受けなければならない運行管理者講習会などは省かれます。
この中ではトラック協会支部が行っている研修会に参加しているケースが多いかな?という印象ですが、これもあらかじめ半年以上前から参加しておかないと、申請日ギリギリになっていると加点がほぼ絶望的です。
添付資料
添付資料としては
●自認事項に係るチェックリスト
●研修終了証、研修実施記録、研修報告書等の研修に派遣したことがわかる書類の写し
●研修資料の写し
が、それぞれ必要です。
資料には必ず出席者名を明記し、マーカーを引きます。
この添付資料の注意点としては
- 研修の申込書、計画書等では事実確認が取れないので加点の対象としない
- 1点付与に該当する資料を2種類添付しても1点のみで、2点の評価は行われない
- 他の自認事項と同じ資料が添付されている場合は、いずれかの項目のみにしか加点されない
- 添付資料には資料No.を必ず付ける
- 書類は全てA4サイズに統一
となります。
研修の申込書、計画書等では事実確認が取れないという部分については、実施した機関に出席者名簿等の写しを貰うという手段もあります。
具体的な内容
●研修とは、職務に対する理解を深め、習熟するために学習することを指す
●外部機関が主催した研修を対象。なお、カリキュラム等研修内容により外部研修の判断をするため、具体的な研修内容が判る資料を提出
となります。
注意したいのが、研修に参加したのに資料を紛失してしまわないようにしておくことです。
この項目では過去一年間で参加しているかが問われますので、毎年定期的に受講していたけど、今回だけ紛失してしまった等にならないよう、ドライバーだけでなく管理者等も出席し確実に資料を保管できるようにしておきましょう。
外部機関の具体例として
- 警察署
- 労働基準監督署
- トラック協会
- 陸上労働災害防止協会
- 安全運転中央研修所
- 埼玉県トラック総合教育センター
- 中部トラック総合研修センター
- トラック交通共済協同組合
- 民間会社の研修施設
- 損害保険会社等(自社だけに向けた研修等を除く)
が挙げられていますが、現実的にドライバー等が一番参加しやすいのがトラック協会の支部で行っているような講習会かと思います。
また、研修内容の具体例としては
- 安全運転講習
- 省エネ運転講習
- 事故防止講習
- タイヤ特性講習
- 運転者技能講習
- 点検整備講習
- 運輸安全マネジメントセミナー
が挙げられています。
この中では安全運転講習や事故防止講習の類は比較的多く行われていますが、最近は省エネ運転を取り上げた講習も多くなっているかと思います。
除外事項
除外事項としては
1.外部講師を招へいした社内研修、eラーニングによる研修
2.自社営業所やグループ会社に限定した外部機関による研修
3.救命救急講習などの、事故防止ではなく事故発生時に関する内容
4.修了証や開催通知等のみによる資料提出の場合、交通事故防止に関する具体的な内容が記載されていないもの
5.運行管理者講習、整備管理者研修、ドライバーコンテスト協議等
6.フォークリフト、クレーン・建設機械車両等の研修
7.指導状況の一覧や指導日の一覧表のみ
8.各種法令により受講義務のある研修
9.荷扱、荷卸し作業、積み付け、積込み、構内作業、ISO等品質等に関する内容
1,2番については「4.自社内独自の運転者研修等を実施している」の項目とかぶっているために、この項目では評価されません。
その他、事故時の対応等、内容が「事故防止に関する」ものでない研修は除外されます。
外部の研修機関・研修会へ運転者等を派遣しているかのまとめ
この項目の加点要件は
①外部機関の主催する②交通事故防止に関する研修に③運転者等を派遣しているかになります。
③の配点として、選任運転者が研修を受講すれば2点になりますが、管理者のみが受講して2点獲得できるケースが以下の2つになります。
- 国土交通省が認定した運輸安全マネジメント認定セミナー
- 全日本トラック協会が実施する事故防止セミナー(・追突事故防止マニュアル活用セミナー、・ドライブレコーダ実践セミナー、・交通事故防止マニュアル活用セミナー、・60分でわかるトラック重大事故対策セミナー)
選任運転手に事故防止講習会等に出席してもらうにしても、管理者が上記のセミナーを受けるにしても、いずれにしてもGマーク申請日のギリギリから準備を始めていたら加点することは難しいでしょう。
この項目の判定機関は、Gマーク申請年の7月1日~前年7月2日となりますから、1年前から計画を立てておくと間違いなく加点が可能です。
ですので余裕をもったスケジュールで考えていくと、比較的簡単に取得できる部分となりますので、ぜひこの項目でも加点を狙っていきましょう。