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巡回指導における37項目の確認事項

こんにちは。

運送会社に定期的に行われる巡回指導についてです。

貸切バスやタクシー等も適正化事業実施機関による巡回指導が行われていますが、貨物事業においてもトラック協会が巡回指導を行っています。

国の行う監査と違うのは、確認事項はほぼ同じですがあくまでも指導であって、違反行為があればすぐ罰則があるのではなく、訂正箇所の指摘(要報告)やアドバイスなどをしてくれます。

それでも重大な違反があった場合は国へ通報されることがあるため、重点項目についてはあらかじめ運送会社側で整備しておくことが大事です。


巡回指導の37項目

巡回指導ではどの項目が確認されるの?

事業計画等

確認事項

  1. 主たる事務所および営業所の名称や位置に変更はないか(重点項目)
  2. 営業所に配置する事業用自動車の種別および数に変更がないか
  3. 自動車車庫の位置および収容能力に変更がないか(重点項目)
  4. ドライバーの休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か
  5. ドライバーの休憩・睡眠施設の保守や管理は適正か
  6. 各種届出事項に変更はないか
  7. 自家用貨物自動車(白ナンバー)による違法な営業類似行為はないか(重点項目)
  8. 名義貸し、事業の貸渡しなどをしていないか(重点項目)

指導時に確認する帳票

  • 登記簿謄本等
  • 経営許可申請書
  • 役員変更届出書
  • 事業計画変更事前届出書
  • 事業計画変更事後届出書
  • 事業計画変更認可申請書
  • 総勘定帳
  • 固定資産台帳
  • 経費明細書
  • リース契約書
  • 保険関係加入台帳
  • 現金出納帳

 

帳票類の整備・報告等

確認事項

  1. 事故記録を適正に記録し保存しているか
  2. 自動車事故報告書を提出しているか
  3. 運転者台帳を適正に記入し、保存しているか
  4. 車両台帳が整備され、適正に記入しているか
  5. 事業報告書および事業実績報告書を提出しているか

指導時に確認する帳票

  • 事故記録簿
  • 自動車事故報告書の控え
  • 運転者台帳
  • 車両台帳(自動車検査証)
  • 自動車検査証の写し等
  • 事業報告書・事業実績報告書の控え

 

運行管理等

確認事項

  1. 運行管理規定を定めているか
  2. 運行管理者を選任し、適正に届出をしているか(最重点項目)
  3. 運行管理者に所定の講習をうけさせているか
  4. 事業計画に従って必要な人数のドライバーを確保しているか
  5. 過労防止を配慮した勤務時間・乗務時間を定めて、それを基に乗務割を作成し、休憩時間や睡眠のための時間が適正に管理されているか(最重点項目)
  6. 過積載運送を行っていないか(最重点項目)
  7. 点呼の実施およびその記録や保存は適正か(最重点項目)
  8. 運転日報の作成や保存は適正か(重点項目)
  9. 運行記録計(タコ)による記録およびその保存は適正か(重点項目)
  10. 運転指示書の作成、指示、携行、保存は適正か(重点項目)
  11. ドライバーに対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか(最重点項目)
  12. 特定のドライバーに対して特別な指導を行っているか(重点項目)
  13. 特定の運転手に対して適性診断を受けさせているか(重点項目)

指導時に確認する帳票

  • 運行管理規程
  • 運行管理者選任・解任届の控え
  • 運行管理者資格者証
  • 運行管理者研修手帳
  • 運転日報
  • 運行指示書
  • 特別積み合わせ事業の場合は乗務基準
  • 運行計画および勤務割当表
  • タコグラフ
  • 乗務実績一覧表(拘束時間管理表)
  • 点呼記録簿・点呼執行要領
  • 運転者への指導教育計画表・記録簿
  • 適性診断受診結果表
  • 運転記録証明書
  • 無事故無違反証明書

 

車両管理等

確認事項

  1. 整備管理規程を定めているか
  2. 整備管理者が選任され、届出をしているか(最重点項目)
  3. 整備管理者に所定の研修を受けさせているか
  4. 日常点検基準を作成し、これに基づいて点検を行っているか
  5. 定期点検基準を作成し、これに基づいて点検・整備を行って定期点検記録簿等が保存されているか(最重点項目)

指導に確認する帳票

  • 整備管理規程
  • 整備管理者選任・解任届の控え
  • 整備管理者資格者証
  • 整備管理者研修手帳
  • 日常点検基準
  • 日常点検表
  • 定期点検基準
  • 定期点検整備実施計画表
  • 定期点検整備記録簿(3・12か月)

 

労働基準法等

確認事項

  1. 就業規則が制定され、届出されているか(重点項目)
  2. 36協定が締結され、届出されているか
  3. 運転時間を除いた労働時間や休日労働に違法性がないか
  4. 法定の定期健康診断を実施し、その記録や保存が適正か(最重点項目)

指導時に確認する帳票

  • 就業規則
  • 労基法36協定
  • 出勤簿
  • 健康診断結果表

 

法定福利関係

確認事項

  1. 労災保険や雇用保険に加入しているか(最重点項目)
  2. 健康保険や厚生年金保険に加入しているか(最重点項目)

指導時に確認する帳票

  • 労災・雇用保険加入台帳
  • 健康保険・厚生年金加入台帳
  • 賃金台帳

 

MEMO

その他、利用運送や特別積合わせなども行っている場合は、その関連する届出や業務に変更がないか等も確認事項の対象になります。

かなりの確認事項ですが、特に徹底して見られる帳票は私の感覚ですと以下の通りです。

  • 点呼記録簿
  • 乗務記録
  • タコグラフ
  • 運行指示書
  • 乗務割
  • 指導教育記録簿類
  • 定期点検整備記録簿
  • 定期健康診断結果票
  • 社保加入台帳類
  • 事業計画の変更

巡回指導が来る場合は、最低限これらに関する帳票は1か所に集めて準備しておき、すぐに見せられるようにしておくとスムーズです。

尚、不備があった際は指導員の指示に従って是正した旨を必ず所定の連絡先(FAX送信先)等へ早めに報告しましょう。

事業所のランク

巡回指導によって点数が定められ、その事業所のランクが決められています。

ランク表

点数 ランク
90点以上 Aランク
80~90点未満 Bランク
70~80点未満 Cランク
60~70点未満 Dランク
60点未満 Eランク

この中でもD、Eランクに関してはその後の対応によって通報されたり、短期間で再び巡回指導が行われる等、国による監査も入りやすくなります。

また、点呼未実施や定期点検未実施、整備・運行管理者がいないなど最重点項目に引っかかると国へ即通報もあり得ます。

そうなれば円滑に事業を行うこともままならなくなりますので、最低でも重点項目はクリアしておくことが事業の発展のためにも重要と言えます。


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