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在留資格「特定技能(自動車運送業分野に限る。)」のオンライン申請とは?【2025年最新対応】

外国人ドライバーを雇用したい運送会社にとって注目されているのが、
2024年に本格解禁された在留資格「特定技能(自動車運送業分野)」です。

この記事では、この在留資格のポイントや、オンラインでの申請方法、注意点について、
運送業に強い行政書士の視点から解説します。

特定技能(自動車運送業)とは?

「特定技能」は、2019年に創設された在留資格で、
人手不足が深刻な業種に限って、一定の技能と日本語能力を持つ外国人労働者を受け入れる制度です。

2024年から新たに「自動車運送業(貨物・旅客)」が対象に追加されました。

🗣️ 特定技能で求められる日本語能力とは?

外国人ドライバーを受け入れる際、日本語能力が十分であることは非常に重要な条件の一つです。

対象となる試験

特定技能1号(自動車運送業)における日本語力証明には、以下のいずれかの合格が必要です:

試験名

レベル

説明

🇯🇵 国際交流基金 日本語基礎テスト(JFT-Basic)

基礎レベル(A2程度)

会話・聞き取り・読解など、生活に必要な日本語能力を測定

🇯🇵 日本語能力試験(JLPT N4以上

日常会話レベル

日本全国・海外で実施。読み書き中心の総合試験

👉 どちらも「日常的な会話や意思疎通ができる」レベルであることが基準です。

🧠 なぜ運送業では日本語能力が特に重視されるのか?

📦 理由①:指示の理解と報連相が必要

  • 配車係・管理者からの指示内容を正しく理解できないと、誤配送・遅延・トラブルの原因になります。
  • 「荷物の種類」「配送先」「到着時間」など、細かい日本語表記が読める必要があります。

📞 理由②:交通ルール・標識の理解

  • 日本の標識や案内板は日本語表記が多く、読解力が事故回避に直結します。

🧑‍💼 理由③:トラブル時の対応力

  • 事故・故障・クレーム発生時、会社や関係者に日本語で状況を伝える能力が求められます。
  • 顧客対応がある現場では、最低限の敬語や受け答えも必須。

📌 受入企業ができるサポートとは?

  • 業務用語・社内用語をまとめた「用語集」を用意(例:「積込」「納品書」「渋滞」など)
  • 日本語教育支援の導入(eラーニング・定期指導)
  • 通訳者や翻訳アプリを業務連携に活用(最初の半年間など限定)

👉 「N4合格=すぐ即戦力」ではありません。
現場になじむには、日常会話以上の語彙や慣れが必要です。

 

📌 受け入れ可能な業務内容(例)

  • トラック運転(中型・大型)
  • 配送センター等での積み下ろし作業
  • 付随する帳票作成や簡単な日本語での顧客対応

🖥️ オンライン申請の流れ(2025年対応)

「出入国在留管理庁(入管)」の【出入国在留管理庁申請サポートシステム(通称:SIPS)】を通じて、
すべての手続きをオンラインで完結できます。

申請の主な流れ

  1. 申請者(受入企業)または代理人(行政書士)が、出入国在留管理庁サイトでID取得
  2. 「在留資格認定証明書交付申請」などの該当申請をオンラインで入力
  3. 必要書類をPDFでアップロード(雇用契約書、会社概要、支援体制等)
  4. 審査→結果通知→交付へ

👉 書類不備や不明点がある場合、入管からオンライン上で補正依頼が届くため、対応のスピードが求められます。

📂 申請に必要な主な書類(※貨物運送業の場合)

書類名

備考

雇用契約書

日本語・外国語併記(対象言語)

特定技能雇用計画書

適正な報酬・労働条件など

受入機関の概要書類

会社登記簿謄本、直近の決算書など

支援計画書

入国後支援体制・相談窓口の体制

技能試験・日本語試験の合格証

自動車運送業向け試験の結果

運転免許証・翻訳証明

外国免許→日本免許への切替が必要

💡 申請時の注意ポイント

  • 外国人本人が「準中型免許以上」を取得していることが必須(原則:日本国内で)
  • 外国語支援(母語対応)などの体制づくりが必要(受入企業の責務)
  • 書類の不備や様式違いで、審査が大幅に遅れる事例も多数 → プロのチェックが重要!

⚠️ 外国人ドライバー受け入れで想定される課題と対応

特定技能制度の活用により外国人ドライバーの受け入れが可能になった一方で、
現場ではいくつかの課題やトラブルも実際に発生しています。

「制度は通ったのに、現場が対応できていない」――そんな事態を防ぐため、事前に想定すべき問題点と対策を確認しておきましょう。

🚧 主な問題点とその背景

問題点

背景・詳細

主な対策

日本語による誤解・指示ミス

配送先・積荷・時間などを誤解してトラブルに発展するケース

指示書の多言語化、視覚資料の活用、要点の口頭確認

地理感覚・土地勘の不足

日本の複雑な道路事情に慣れず、道を間違えたり立ち往生

ナビ使用研修、事前の地図確認、先輩同乗研修

法令・交通ルールの誤解

一時停止・速度超過・信号無視など日本独自の交通文化への理解不足

交通ルール研修、ドラレコを活用した振り返り指導

顧客対応の不安・トラブル

荷主や得意先とのやり取りで意思疎通が難しい

決まった表現集の共有、最初は同伴させるなど段階的教育

安全面への懸念

積荷の固定、バック操作、誘導への反応などで事故リスクが上昇

繰り返しの実地教育、映像教材の活用、安全ルールの徹底

定着率の低さ

孤独感・文化の違い・労働条件が合わず退職してしまうことも

寮や通訳の整備、日本人従業員との橋渡し役の配置

💬 実際にあった現場での声

「ドラレコの映像を見たら、指示と違う道を走っていた。どうやら“似た漢字”を間違えて覚えていたようだ。」
– 配送業者(東京都)

「“この荷物は納品前に検品”と伝えたが、“検品”の意味が通じておらず、そのまま持ち込んでクレームになった。」
– 運行管理者(埼玉県)

👨‍🏫 事前教育と支援体制の整備がカギ

  • 日本語だけでなく、「業務用語」「安全ルール」など現場用の教育プログラムを作成する
  • 外国人ドライバーが**相談できる窓口(同国出身者・通訳・外部支援団体)**を設けておく
  • 配車係や同僚への**多文化理解研修(社内勉強会)**も効果的

👉 「採用して終わり」ではなく、受け入れ後の継続的支援が事故防止と定着のカギとなります。

👨‍⚖️ 在留資格申請は“行政書士に任せる”のが安心です

特定技能をはじめとする在留資格の申請は、形式通りに提出すれば通るものではありません。
制度の背景や審査の流れを正しく理解し、企業の状況に合った申請書類を整えることが不可欠です。

そこで強い味方となるのが、**在留資格に精通した「行政書士」**です。

行政書士に任せる5つのメリット

メリット

内容

制度改正に常に対応

最新の特定技能制度や入管運用の変更を常に把握しています

書類作成の正確性

必要書類の形式・内容・記載ミスを未然に防げます

オンライン申請対応

出入国在留管理庁のオンライン申請(SIPS)に完全対応しています

審査対応・補正もスムーズ

入管からの追加資料や補正依頼にも的確に対応できます

受入体制構築のアドバイスも可能

支援計画の整備、社内ルール策定の相談もOK

📌 特に「はじめて外国人を雇う企業」にとっては、制度理解から申請、受け入れ後の体制整備まで、
最初に正しく設計することが、その後のトラブル防止と成功のカギになります。

また、仮にいつも相談している行政書士が運送業の専門であっても、行政書士は横繋がりがあることが多く、在留資格専門の行政書士を紹介してもらうよう促せばすぐに動いてくれることがあります。

外国人ドライバーを検討している場合は行政書士に相談するのが一番でしょう。

まとめ

  • 特定技能(自動車運送業)は、今後ますます需要が拡大する見込みあり
  • オンライン申請が基本になっており、事前の準備と書類の正確性がカギ
  • 受け入れ企業の責任が重く、体制づくりと継続的支援も求められる