Gマークの申請において「安全性に対する取組の積極性」の項目の一つである
「事故防止対策マニュアル等を活用しているか」
の項目は、他の事故や違反状況、法令の遵守状況のような義務、と違って積極的に準備することにより加点対象となります。
その中の「事故防止対策マニュアル等を活用しているか」については2点の加点要素になるとともに、比較的簡単に準備できる項目です。
判断の基準
●マニュアルまたはこれに準ずる規程等が策定されていれば加点対象
●自社で作成したものか、既製品を使用しているかは問われない
●2点のうち、内容によって1点または2点の加点となる
要するに、活用しているマニュアルの内容が規程どおりであれば、1点か2点の加点が見込めます。
実際には全日本トラック協会または国交省が発刊しているマニュアルを利用どちらかを使用するという2択に絞られます。
具体的なマニュアルとして
- 事業用トラックドライバー研修テキスト(全日本トラック協会)
- 自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル トラック事業者編(国交省)
のどちらかを使用します。
たまに、ほんとに自社で作成したマニュアルを準備している事業所もありますが、Gマーク申請においてはトラック協会または国交省が制作している「事業用トラックドライバー研修テキスト」または「自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル」を利用したほうが良いでしょう。
どちらもウェブサイトからダウンロードが可能なため、そろえるのも比較的簡単で済みます。
全日本トラック協会発刊の「トラックドライバー研修テキスト」はすでに印刷、製本されているものが会員ページで5千円程度で販売されていますので、手間の場合はそちらを購入しても良いでしょう。
添付書類
●自認事項に係るチェックリスト
●マニュアル等の写し
「事故防止対策マニュアル等を活用しているの項目」の添付書類については以下の2点になります。
マニュアル等の写しについては、前述のトラック協会または国交省が発刊しているマニュアルを使用します。
添付書類の際に、自社作成のマニュアルですと膨大な量になりますが、最近になって全日本トラック協会または国交省制作のマニュアルですと優遇されていて、マニュアルに事業所、営業所名のメモ書きを添えて写真一枚を撮ってA4で印刷するだけで済みます。
この写真を撮るときの注意点としては、必ず自社営業所名のメモ書きを添えることと、テキストの厚みが分かる角度から撮影するようにしましょう。
エコ意識が浸透してきた世の中ですから、これからもペーパーレス化が進むことが予想されます。
Gマーク申請書類は全部でかなりの量になりますから、この項目ではチェックリスト、写真の合計2枚に抑えたほうが良いです。
マニュアルの内容
マニュアルの内容によって1点または2点のどちらかの加点になります。
マニュアルの目的としては
事故を未然に防ぐために安全運転に必要な基本的知識や科学的知識および健康管理を取りまとめたもの並びに安全運転意識の向上策等をまとめた事業用自動車の運転者に対するマニュアルを確認する
となっており、以下の内容が網羅されていることが条件になります。
- 事故発生の状況
- 運転マナー
- トラックの特性
- 速度の特性
- 安全運行の確保
- 積載方法
- 運転方法
- 体調管理
- 気象条件
- 日常点検
上記の内容が図解や写真によって具体的な事例をまじえて解説された内容が盛り込まれていることが2点加点の要素です。
内容としては、年間を通じて12項目の指導教育を行っている事業所は教育資料でほとんど網羅されていると思いますが、Gマークの申請においては添付書類が結構な量になりますので、「事業用トラックドライバー研修テキスト」か、「自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導および監督の実施マニュアル」を使用するのが良いでしょう。
加点の対象にならないもの
●フォークリフト等、構内での作業や荷の取扱い、荷卸し作業に関する手順等。
●タイトルと内容が判断基準に適合しないもの
●運行管理規程など、法令で作成が義務付けられているもの
この項目の加点要件として「輸送の安全に係る、事故防止に資するためのマニュアル」ですから、当然荷卸し作業などの手順書は該当しませんよね。
事故防止対策マニュアルの加点まとめ
事故防止対策マニュアルを活用しているかどうかの加点要件では、とにかく全日本トラック協会または国交省が発刊しているマニュアルを利用するという点につきます。
「安全性に対する取組の積極性」では配点20点満点中12点以上取らないといけませんが、そのうちの2点がこの項目で稼げるわけですから、作業の割に簡単ですよね。
揃える添付書類は
- 自認事項に係るチェックリスト(手引きをコピーもしくは全日本トラック協会サイトからword、PDFファイルをダウンロード)
- 全日本トラック協会または国交省が制作したマニュアルと事業者名と営業社名を写真に収めて印刷したもの
の2つになります。
この項目は間違いなく2点獲得しておきましょう。