運送会社においては日々さまざまな問題が発生しますよね。
モデルとして一般的な貨物事業者での流れを思いっきりざっくばらんに見てみると、
- 荷主のところで積載物をトラックに搬入する
- 一時的に自社倉庫に保管する
- 届け先へ運搬する
といったプロセスになりますが、そのプロセスのなかで待機時間などのムダが発生したり、事故が起きるリスクも常に存在します。
物流KPIは業務のプロセスのなかで、それぞれの部分を指標化して問題がある部分を洗い出し、問題点を改善して経営を円滑化していくことに意義があります。
貨物の運送会社のほとんどが中小企業ですが、あまりこの物流KPIを意識して取り組んでいる事業所は見かけません。
完全に導入することは難しいかもしれませんが、部分部分を指標化して目に見えやすく運送会社においては日々さまざまな問題が発生しますよね。
モデルとして一般的な貨物事業者での流れを思いっきりざっくばらんに見てみると、
荷主のところで積載物をトラックに搬入する
一時的に自社倉庫に保管する
届け先へ運搬する
といったプロセスになりますが、そのプロセスのなかで待機時間などのムダが発生したり、事故が起きるリスクも常に存在します。
物流KPIは業務のプロセスのなかで、それぞれの部分を指標化して問題がある部分を洗い出し、問題点を改善して経営を円滑化していくことに意義があります。
貨物の運送会社のほとんどが中小企業ですが、あまりこの物流KPIを意識して取り組んでいる事業所は見かけません。
完全に導入することは難しいかもしれませんが、自社で分かりやすい項目を部分部分指標化して目に見えやすくしていき、最終的に全体の流れが見えるようになれば良いと思います。
輸配送について把握しておくべき基本的な指標は?
作業を見える化するといっても、なにを指標化すればいいのか、運送会社では大まかに①輸配送に関する指標 ②運行管理に関する指標を把握していくのが良いと思います。
たとえば輸配送に関する指標ですと
- 実車率
- 稼働率
- 積載率
- 運行効率
などがあり、上記4つについては運送会社を経営していくうえで基本的な指標ですので、一番最初に把握すべき指標です。
その他に指標化すべきものとしては配送先の数や日次収支。納品先での待機時間なども輸配送に関する指標として少しずつ把握していくと良いでしょう。
実車率とは?
実車率とは、トラックが荷物を運搬した距離にたいして、トラックを走行させた総距離で割ることによって計算されます。
計算式でいうと
実車率(%)=積載時の走行距離÷総走行距離×100
で出すことができます。
たとえば自社から貨物を積んで200km離れた荷卸し場所へ運搬して、荷卸し後はそのまま自社へ帰庫する場合、
200km(積載走行)÷400km(総走行距離)ですから、実車率は50%ということになります。
車両によっても変わってきますが、おおむね70%以上を目標にしていくのが望ましいです。
稼働率とは?
トラックの稼働率については意識している事業者も多いですが、なかには何故か
「日中、車庫にトラックが何台か停まっているほうがカッコイイんだ!」
と言う人もいましたので何ともいえませんが、稼働率が低ければ確実に売り上げは右肩下がりになります。
この稼働率については
稼働率(%)=トラックの稼働時間÷年間総時間×100
と、非常にわかりやすい計算です。
たとえば年間250日、毎日8時間稼働した場合、合計2,000時間の稼働を、年間の総時間8,760時間で割ると、このトラックの稼働率は22.8%になります。
この稼働率も工夫して70%前後までは高めるべきです。
積載率とは?
積載率は荷主側も意識してくる指標で、トラックが効率的に積載できているかを把握するための指標です。
積載効率が悪く、積載量の違うトラックを複数所有している場合には、どのトラックで運搬すべきかを考える必要が出てくるでしょう。
積載率の指標の出し方としては
積載率=実際の積載トン数÷最大積載トン数×100
で計算することができます。
たとえば2トンで足りるものを4トントラックで運搬した場合、積載率は50%になり、非常に効率が悪くなりますよね。
現実的には、例えば引っ越しトラックなどは顧客は2トントラックや4トントラックと言われてもピンとこないため、とりあえず大きめの4トントラックを指定してきて、実際には積荷が2トンにも満たないのに4トントラックで運搬するというケースがあったり、
逆に頻繁に発注をしてくる荷主企業が運賃を抑えたいのでギリギリまで積ませようとして過積載になってしまうということがあります。
ですので顧客に言われるがままではなく、運送会社側もしっかり裁量を発揮していくべきだと思います。
運行効率とは?
上記の3つの指標
- 実車率
- 稼働率
- 積載率
を計算してそれぞれの指標が出て始めて運行効率が把握できます。
計算式としては
運行効率=実車率×稼働率×積載率
で求められます。
たとえば実車率70%、稼働率70%、積載率70%のトラックがあった場合
実車率(70%)×稼働率(70%)×積載率(70%)=34.3%
になります。
できればこの運行効率は40%以上を目標に改善していくと良いです。
物流KPIで知るべき指標まとめ
物流KPIの指標である実車率や稼働率、積載率といった数字をあげていくためには、自社のドライバーの協力はもちろん、荷主の協力等も必要になってきます。
そのためにはトップが「コミュニケーション」という人間的な部分で魅力を持たなければいけないと思います。
また、近年はドライバー不足が深刻化していますが、たまに応募が殺到している運送会社も見かけます。
よく見ると他社よりも待遇が良く、そのような会社には働きたいと思う人たちが集まるのは当然ですよね。
「うちはそんな待遇にできるほど利益が出ていない!」
というのがほぼ大半だと思いますが、
まずは指標を把握して自社ドライバーや荷主とよくコミュニケーションを取り、改善して効率を高め、ドライバーに還元できる環境を作っていくことで良いサイクルが出来上がっていくのではないでしょうか。