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標準貨物自動車運送約款とは?

こんにちは。

標準貨物自動車運送約款は、運送人と荷主間の契約をあらかじめ定めることによって、個別に取り決められていない荷送人との契約を画一的に適用されるものです。

ほとんど全ての事業所は国土交通大臣が作成した標準運送約款を使用しています。


貨物自動車運送事業法の規定

貨物自動車運送事業法

 

第10条(運送約款) 一般貨物自動車運送事業者は、運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 

2.国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、次に掲げる基準によって、これをしなければならない。

①荷主の正当な利益を害するおそれがないものであること。

②少なくとも運賃および料金の収受ならびに一般貨物自動車運送事業者の責任に関する事項が明確に定められているものであること。

 

3.国土交通大臣が標準運送約款を定めて公示した場合において、一般貨物自動車運送事業者が、標準運送約款と同一の運送約款を定め、または現に定めている運送約款を標準運送約款と同一のものに変更したときは、その運送約款については、第1項の規定による認可を受けたものとみなす。

自社独自で作成した運送約款を定める場合、国土交通大臣の認可が必要になり、変更の際にも認可が必要です。

ただし国土交通大臣が公示したものと同一のものであれば認可は必要ありませんが、その場合はやはり公示されたものをそのまま利用したほうが良いでしょう。


掲示の規定

貨物自動車運送事業法

 

第11条(運賃および料金等の掲示) 一般貨物自動車運送事業者は、運賃および料金、運送約款その他国土交通省令で定める事項を主たる事務所その他の営業所において公衆に見やすいように掲示しなければならない

運送約款をそのまま社内の壁等に貼り付けるだけで規定を満たすことができますが、営業所が複数個所あれば、各営業所にも掲示が必要となってきます。

約款の記載内容は?

貨物自動車運送事業法施行規則

 

第11条(掲示事項) 法第10条第1項の運送約款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1.特別積合せ貨物運送をするかどうかの別

2.貨物自動車利用運送を行うかどうかの別

3.運賃および料金の収受または払戻しに関する事項

4.運送の引受けに関する事項

5.積込みおよび取卸しに関する事項

6.受取、引越しおよび保管に関する事項

7.損害賠償その他責任に関する事項

8.その他運送約款の内容として必要な事項

施行規則において8つの事項が記載されていますが、H29年11月の改正時点で標準貨物自動車運送約款は第1章~第3章、全62条に及んで定められています。

標準貨物自動車運送約款は第1章が1条~2条、第2章が3条~59条、第3章が60条~62条と、業務の核となる部分である第2章(運送業務等)のボリュームが大半を占めており、事業を運営するにあたって、ためになる内容も多くなっています。

貨物自動車運送事業法施行規則

 

第13条(掲示事項) 法第11条の規定により掲示しなければならない事項は、次ぎのとおりとする。

1.運賃および料金

2.運送約款

3.運行系統

4.法第7条第4項の規定により一般貨物自動車運送事業の許可に付された事業の範囲の限定

5.業務の範囲

個人を対象とする引越、宅配、霊柩の運賃および料金。運行系統なども掲示しなければなりません。

これらも事務所や営業所において見やすいように掲示しなければなりません。

 

運送約款の目的

運送約款の目的は、なんといってもトラブル防止のためと言えます。

あらかじめ、運賃はどのように定めているか、受付時間や事故が発生した場合のルールを定めることで、確固とした言い分や責任の所在の決め事があるなしでは、何かあったときにスムーズな話し合いができる可能性も高まりますよね。(それでもトラブルを100%防止することはできませんが・・・)

また、内容としてH29年11月に改正された新約款では、積込料、荷待ち待機料等について規定され明確化されました。

運賃は運送事業の要ですから、運賃・料金設定、新約款掲示、料金変更届等はきっちりやっておくべきでしょう。

 

まとめ

標準貨物自動車運送約款は、掲示しなければならないとされているので送付されてきた約款を普段なんとなく掲示しているという人も多いですが、文字は細かいし独特の言い回しで分かりづらかったりはしますが、内容をよく読み込んでみると参考になる部分や気付きが多々あります。

当ブログでも約款内容について今後解説していきたいと思いますので、参考にしていただければ幸いです。

また、運賃・料金設定についても相談の多い一つですので、細かく解説できたらと思います。


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