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点呼は原則として対面点呼が求められますが、Gマーク取得事業者や、一定の条件を満たすことでIT点呼を導入することができます。
IT点呼とは?
国土交通大臣が定めた機器によって行うことができる点呼のことでGマーク取得事業者や、未取得事業者でも条件を満たした場合、管轄の運輸支局長へ提出することによってIT点呼が可能となります。
Gマーク取得事業者が行えるIT点呼
- 営業所と、認可を受けている車庫間で行うIT点呼
- 点呼実施者のいる営業所と遠隔地において行うIT点呼
- 点呼実施者のいる営業所と他所の営業所との間で行うIT点呼
- 点呼実施者のいる営業所と他営業所の車庫間で行うIT点呼
- 点呼実施者のいる営業所と他営業所所属の運転者との間で遠隔地で行うIT点呼
尚、3,4,5番の場合は両営業所がGマークを取得している必要があります。
Gマーク未取得事業者が行えるIT点呼
- 営業所と認可を受けている車庫間で行うIT点呼
Gマーク未取得事業者がIT点呼を行うための条件
Gマーク未取得事業者がIT点呼を行う場合には以下の条件が必要になります。
- その営業所が開設後3年以上経過している
- 過去3年間に自動車事故報告規則第2条に掲げる事故で、第一当事者となる事故を起こしていないこと。
- 過去3年間に点呼に関する違反で行政処分や警告を受けていないこと。
更に上記3つの条件を全て満たしたうえで、次のいずれかを満たす必要があります。
直近の巡回指導で総合評価がA~Cの場合
・点呼の項目が適判定の事業者
・点呼の項目が否判定だったが、3ヶ月以内に改善報告書を提出し点呼の項目が適判定に改善された事業者
直近の巡回指導で総合評価がD~Eの場合
・点呼の項目が適判定で、3ヶ月以内に改善報告書を提出し総合評価がA~Cに改善された事業者
・点呼の項目が否判定だったが、3か月以内に改善報告書を提出し総合評価A~Cに改善され、点呼の項目についても適判定に改善された事業者
IT点呼が行える時間
IT点呼を行う場合、実施可能な時間帯が決められています。
2つの営業所間、営業所と他の営業所の車庫間、営業所と他の営業所に所属する運転者の遠隔地の間で行うIT点呼については1営業日のうちに連続する16時間以内に限ってIT点呼を行うことができます。
営業所と、認可を受けている車庫間でのIT点呼については時間に関係なくIT点呼を行えます。
運輸支局への報告事項
IT点呼を導入する場合には、事前に運輸支局へIT点呼・遠隔地IT点呼に係る報告書を提出しなければなりません。
記載内容は以下の通りです。
- 住所
- 氏名又は名称
- 代表者名
- 担当者名と連絡先
- 営業所・車庫名称
- IT点呼の実施位置
- Gマーク取得事業者は認定番号、有効期間
- 使用するIT機器の名称
- 時間帯制限がある場合は実施する時間帯
- IT点呼を開始する年月日
- Gマーク未取得事業者の場合は ①巡回指導を受けた年月日 ②改善報告を行った年月日 ③総合評価(A~E) ④点呼項目の判定(適・否)
尚、添付書類として点呼に使用するIT機器のカタログや使用構成図が必要です。
IT点呼に係る報告書は、IT点呼を実施する10日前までに運輸支局長へ提出します。
その他の注意事項
・2か所の営業所が係るIT点呼の場合は、両営業所で点呼記録を保存すること。
・営業所間でIT点呼を行った場合には速やかにIT点呼を受けた営業所に通知してIT点呼実施営業所の名称、IT点呼を実施した運行管理者氏名、点呼内容を双方の点呼記録簿に記録して保存すること。
・IT点呼を受ける運転者が所属する営業所の運行管理者は適切なIT点呼を実施できるようにあらかじめ点呼に必要な情報をIT点呼を実施する運行管理者等に周知すること。
平成28年7月1日施行の法改正によってGマーク未取得事業者以外によるIT点呼導入以外にも、酒気帯び状況の測定結果がクラウド型機器でも記録保存可能となったり、同一事業者内における遠隔地等においても運転者の所属する営業所以外の運行管理者によるIT点呼が実施可能(Gマーク取得事業者のみ)になるなど、業務負担が軽減されることが期待されますが、IT機器は初期費用に加えて月額で費用もかかるため、コストと自社の状況等を考慮して導入を検討していくのが良いと思います。